膝のレントゲン・MRIの結果をどう読むか:変形性膝関節症の基礎知識
整形外科で「変形性膝関節症ですね」と言われ、検査結果の用紙を渡されたものの、書かれている言葉の意味がよくわからない。そんな経験をした方は多いのではないでしょうか。この記事では、膝のレントゲンやMRIの所見によく出てくる用語と進行度の考え方、画像と痛みの関係、そして段階ごとに検討される治療について、医師と話すときに役立つ形で整理します。
レントゲンでわかること:よく出てくる4つの言葉
レントゲンには軟骨そのものは写りません。そのため、骨と骨のすき間の幅や骨の形の変化から、軟骨の状態を間接的に判断します。膝の場合は、体重がかかった状態を見るために立った姿勢で撮影するのが一般的です。
所見でよく見かける言葉は次の4つです。
• 関節裂隙の狭小化:骨と骨のすき間が狭くなっている状態で、軟骨がすり減っていることを示します
• 骨棘:骨の縁にできるとげのような出っ張りで、関節への負担に対する反応です
• 軟骨下骨の硬化:軟骨のすぐ下の骨が白く濃く写る状態で、負担が集中していることを示します
• 骨嚢胞:骨の中にできる小さな空洞で、進んだ段階で見られることがあります
さらに、O脚やX脚など脚の軸のずれが記載されることもあります。日本人にはO脚傾向が多く、膝の内側に負担が集まりやすいといわれています。
所見の言葉を知っておくと、医師の説明が理解しやすくなり、質問もしやすくなります。わからない言葉があれば、その場で遠慮なく聞いてみましょう。
進行度の分類と「グレード」の意味
変形性膝関節症の進行度は、レントゲンの所見をもとにいくつかの段階に分けて表されます。よく使われるのはKellgren-Lawrence分類で、グレード0から4までの5段階です。
大まかな目安は次のとおりです。
• グレード1:変化の疑いがある程度で、ごく小さな骨棘が見られることがある
• グレード2:はっきりした骨棘があり、すき間の狭まりは軽い
• グレード3:すき間が明らかに狭くなり、骨棘も増え、骨の硬化が見られる
• グレード4:すき間がほとんどなくなり、骨の変形が目立つ
ここで大切なのは、画像のグレードと痛みの強さは必ずしも一致しないということです。グレードが高くても痛みが少ない方もいれば、グレード2でも日常生活に支障が出るほど痛む方もいます。
そのため、治療の方針はグレードの数字だけで決まるものではありません。診察での所見、痛みの出方、生活のなかで困っていること、年齢や体力などをあわせて判断されます。自分のグレードを知ったうえで、それが生活にとって何を意味するのかを医師に尋ねることが役立ちます。
MRIで追加してわかること
レントゲンではわからない部分を詳しく見るために、MRIが行われることがあります。MRIでは軟骨そのもの、半月板、靱帯、骨の内部の状態を確認できます。
MRIの報告書でよく見かける所見には、次のようなものがあります。
• 軟骨の菲薄化や欠損:軟骨が薄くなったり、部分的になくなったりしている状態
• 半月板の変性や断裂:膝のクッションの役割をする半月板の傷み
• 骨髄浮腫:骨の内部に水分が増えた状態で、痛みと関係することがある
• 関節水腫:関節の中に水がたまっている状態
レントゲンではまだ大きな変化がないのに痛みが続く場合、MRIで軟骨や半月板の傷みが見つかることがあります。また、骨の血流が悪くなる骨壊死が疑われるときにも、MRIが重要な手がかりになります。
画像はできればデータとしても受け取っておきましょう。以前の画像と比べることで進行の速さがわかりますし、別の医師に意見を聞く場合や、海外での相談を考える場合にも必要になります。報告書だけでなく、画像そのものが大切です。
画像の段階と治療の選び方
早い段階では、進行をゆるやかにし、膝の機能を保つことが目標になります。太ももの筋力トレーニング、体重の管理、理学療法、正座や深くしゃがむ動作を控えることなどが治療の土台です。
早期から中等度の段階では、患者さん自身の組織を使う注射が検討されることもあります。少量の血液から作るPRPは、軽度の変形性関節症でよく用いられます。約30mlの脂肪組織から取り出したSVFを血漿と混ぜて使う方法は、変化がよりはっきりしていて、長く続く効果を目指す場合に選ばれます。モスクワのCity Medical Centreは、大阪から相談する方向けの変形性関節症治療のページで、変形性関節症ではSVFを主に早期と中等度の段階で用いるとしています。
注射は超音波で位置を確認しながら行われ、治療は1日で終わり、入院や松葉杖は必要ないとされています。経過観察は1か月後、3か月後、6か月後で、通常は最初の1か月で痛みが和らぎ、6か月ほどで効果が十分に現れるとされますが、個人差があります。
人工関節が現実的になるときと、相談の準備
グレード4のように軟骨がほとんど失われ、安静にしていても痛み、夜も眠れず、短い距離も歩きにくい状態では、注射による治療の効果は限られます。こうした段階では人工関節のほうが現実的な選択肢かどうかを、医師が率直に説明するべきです。
人工関節を勧められて迷っている場合は、画像を持って別の医師の意見を聞くのもひとつの方法です。手術が最適だと確認できることもあれば、まだ試せる方法が見つかることもあります。
相談の前に準備しておきたいもの:
• 立った姿勢で撮った膝のレントゲン画像
• MRIや超音波の画像データと報告書
• 服用中の薬、持病、これまでの手術の記録
なお、がん、妊娠中・授乳中、血液の凝固異常、急性の感染症、心臓・腎臓・肝臓の重い病気がある場合は、再生医療的な注射は受けられません。City Medical Centreでは初回の相談と画像の確認が無料で、オンラインでの相談も可能です。費用などの詳細はコーディネーターに確認しましょう。どの道を選ぶにしても、画像と症状をあわせて医師と一緒に判断することが大切です。
